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第46回 公益社団法人日本口腔インプラント学会に参加して

ビスフォスフォネート関連顎骨壊死について

9月16日(金)~18日(日)に名古屋国際会議場で開催された公益社団法人日本口腔インプラント学会に参加して参りました。その中で、ビスフォスフォネート関連顎骨壊死について、拝聴してきました。

ビスフォスフォネート(以下、BP)は骨粗しょう症治療の第一選択薬であり、その他にも、
がん患者や骨量が減少する疾患に対して有効な治療法として使用されています。

骨粗しょう症は女性に多く、50歳以上では3人に一人が罹患している、もはや国民病ともいえる疾患です。骨粗しょう症にかかると、骨の内部が鬆(す)が入ったようにスカスカの状態になり、骨密度が低下して骨がもろくなってしまいます。こうなると、転倒などの日常生活で発生する衝撃での骨折のリスクが高まるため、BP剤が服用される場合があります。

 
BP剤は、全身の骨の骨密度を上昇させる有効なお薬ですが、顎骨(顎の骨)は他の骨には見られない特性(下記①~⑤)を持っているため、注意が必要です。

①顎骨のように薄い口腔粘膜で覆われている骨は他に無く、食べ物をかみ砕くなどの日常活動により、口腔粘膜は傷害を受けやすい。この障害は、その直下の顎骨に到達する
②虫歯や歯周病などを介して炎症が波及しやすい
③お口の中には感染源として、非常に多くの口腔内細菌が存在している
④顎骨に植立されている歯と顎骨の隙間から感染源が到達しやすい
⑤抜歯などの処置により顎骨が直接口腔内に露出して感染しやすい

上記の特徴により、BP剤を服用中の方は、顎骨壊死(顎骨に炎症が波及して、局所的に細胞が死んでしまうこと)が発生することがあります。BP剤を長期に渡って(3年以上)服用されているかたは、そのリスクはさらに向上します。顎骨壊死の症状としては、入れ歯が擦れてできた傷のようなものがお口の中に発生したり、膿がでたり、下唇を触られた感覚が鈍くなったりがあります。抜歯の際には、特に注意が必要です。

上記の様にBP剤は骨粗しょう症の治療薬としては非常に有効ですが、顎骨に対して注意が必要です。具体的には、感染を防止するため、お口の衛生状態を良好に保つ必要があります。藤井歯科医院では、定期的なメンテナンスを含めてお口のケアを積極的に実施しています。
お気軽に、ご相談ください。

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