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第37回 (公社)「日本口腔インプラント学会」口腔インプラント専門医臨床技術向上講習会に参加して②

4人目の、東京医科歯科大学の勝山英明臨床教授は、インプラント治療が歯の1本も無い無歯顎者にとって有効でありながら、世界的に見てもその浸透率が低いことを述べられました。その理由として、無歯顎者の多くは高齢者であり、治療可能かどうかの判断が難しいことを挙げられました。実際には、全身的な既往歴は勿論、外科手術の侵襲に耐えられるか、通院可能かどうか、家族状況や認知症の有無・程度といったことなどから総合的に診断することが求められますが、現状その判断は主治医に一任されており、今後高齢者に対するインプラント治療のガイドラインの確立が望まれる、と講演されました。

次に登壇された柴垣博一先生は、日本口腔インプラント学会の代議員をされており、要介護高齢者の日常生活における関心事(施設で楽しい事)の1位は食事であるとのデータを出されました(2位は家族訪問、3位は行事参加)。そして、歯科医院に通院困難な施設および居宅の方のインプラントのメインテナンスについて講演されました。現状は保険診療で訪問歯科診療が行われておりますが、特に他院でインプラント治療を受けられた方もしっかりメインテナンスが受けられる状況を整備することが、逆算していくとインプラント治療を術者患者の両者が安心して施術することにつながると、提唱されました。

最後の演者、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科の脇田亮准教授は、インプラントを含む外科治療が、超高齢社会を迎えている日本では避けて通れない現状を受け、侵襲的治療を行う前に個々の患者背景の評価を行う必要があると、おっしゃりました。そのために、情報収集が必須であり、血液検査や健康診断の結果のコピーや、お薬手帳、かかりつけ医療機関との診療情報提供書を患者と協力して確認し、特に麻酔液の量に気をつけて治療をすることをご教授くださいました。

世界全体で起こっている高齢化社会問題に対して、6人の高名な先生方が具体的な治療の手技から、将来を見越した考え方まで、幅広くまた奥深く現状のベストと今後の課題を教えて下さりました。毎日の診療に今すぐに反映できることや、日々心掛けて考え続けなければらない問題を知ることができ、大変勉強になりました。
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