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公益社団法人日本補綴歯科学会 第133回学術大会に参加して

令和6年7月5日(金)~7日(日)に幕張メッセ国際会議場で開催された公益社団法人日本補綴歯科学会 第133回学術大会に現地参加しました。
今回は、修練医・認定医・専門医制度委員会セミナー(共通研修①)と臨床リレーセッション4を拝聴しました。なかなか学会に参加出来なかったですが、特に皆様にお伝えしたいことを抜粋して久々にご報告させていただきます。

修練医・認定医・専門医制度委員会セミナー(共通研修①)は、九州歯科大学口腔保健・健康長寿推進センターの特任教授でおられる大渡凡人先生が、「安全な補綴歯科診療の実現に必要な有病高齢者のリスクマネジメント」のタイトルでご講演されました。座長は日本歯科大学生命歯学部歯科補綴学Ⅰの教授でおられる隅田由香先生がご担当されました。

大渡先生は「ポリファーマシー(polyharmacy)」について主にご教授して下さいました。
高齢者になると、多くの薬を併用する(多剤併用)ことが多くなります。
「ポリファーマシー」は、「Poly」+「Pharmacy」で多くの薬ということですが、多くの薬を服用することにより副作用などの有害事象※を起こすことです。ポリファーマシーが多剤併用ということではなく、多剤併用が悪いことでもありません。※(公益社団法人日本薬学会「薬学用語解説」より引用)

高齢者になると、そもそもご病気をお持ちの方が多くなります。中には、心臓ペースメーカーなどデバイス植入術後の方がおられます。そうすると、例えば感染症心内膜炎などのリスクが増加しています。また、臓器における機能的予備力も、若年者に比べると個人差はありながらも当然低下します。以上のことから、若年者になら許容できるストレスに対しても、破綻するリスクが上昇します。
そして、補綴歯科診療では有病高齢者が多く、全身的偶発症のリスクも高いです。その際の全身的偶発症は循環器関連が多いです。そのリスクマネジメントでは、予防が最も重要であると考えられています。
具体的には
①一般的に寒い季節と午前中は血圧が上昇しやすいので注意する。
②リスクのある患者さんの治療に対し血圧の測定を行いコントロール不良の高血圧には内科受診を優先する。
③歯科麻酔薬には血圧を上昇させる効果があるので慎重に使用する。
ことが挙げられます。
もちろん、高齢でなくてもポリファーマシーの方はおられますので、ご服用されているお薬に関しては、老若男女を関係なく、問診させていただいております。これは、アレルギー反応の防止の意味も当然含まれております。

今後のさらなる高齢者の増加に備えるため、医科歯科薬科がマイナンバーを利用して連携し、電子処方せんへ移行することなどに取り組んでおります。
電子処方せんとは、これまで紙で発行していた処方せんを電子化したものです。
「医療機関で患者さんが電子処方せんを選択」し、「医師・歯科医師・薬剤師が患者さんのお薬情報を参照することに対して同意」をすることで、複数の医療機関・薬局にまたがるお薬の情報を医師・歯科医師・薬剤師に共有することができるようになります。
医師・歯科医師・薬剤師は、今回処方・調剤する薬と飲み合わせの悪い薬を服用していないかなど確認できるようになり、薬剤情報にもとづいた医療を受けられるようになります。
結果として、患者さんは今まで以上に安心して薬を受け取ることが可能となります。※(厚生労働省HPより引用)

藤井歯科医院では、医療機関・薬局で併用禁忌や重複投薬を防ぎやすくなり、今まで以上に薬を受け取りやすくなることを目的の一つとして、電子処方せんへの移行に取り組んでおります。
今回は高齢者の歯科治療における、薬に関して皆様へお伝えいたしました。ご不明な点がございましたら、ご遠慮なくお聞きくださいませ。

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